Okay, bad joke.

詩のドラフト倉庫

たのもう

 

アイロンのショットで湯気がもわり
ああ干してくれてて助かる代わり
さばいてないのかシワが手強い
 
霧吹きに水を足してきてぺたん
前のめりで体重をかける日曜午前
 
おおいもう出るぞ
あと小腹も減ったんだけど
はあい待って一度に言わないでよ
パンだったらそこにあるんだけど
 
じゃ牛乳ぬくめてくれよハラ壊すから
あんまり熱いのはダメだぞ猫舌だから
ここの空いてる鍋でやればいいのか
レンジでやってる、洗うの大変でしょ
じゃあ俺わかんない、頼むよ
 
ヴーンと電子レンジがオレンジに灯り
慌てて戻ってきて仕上げる襟
あ、帰りに牛乳買ってきてくれない?
あの、高くなくていいの、前みたいに
 
頼むと見慣れないものを買ってきて
後で見たら普段の倍の値札だったりで
でも怒るのもなんだしと溜息ついては
ふと思い出す母との後味悪い喧嘩
 
" 家の中で何ひとつ頼まれなかった
触ったら怒るしいる意味がなかった
役立たずがどれほど屈辱だったか
お母さんにはわかってないんだわ "
 
頼んでも頼まれても面倒なのね
どっちを選んでも自由じゃないわね
 
霧吹きでシュッ うわっ冷てっ
パンの皿とジャムとマグカップをささっ
お待たせ致しました ご主人さまっ