Okay, bad joke.

詩のドラフト倉庫

正義と孤立の味方

ネギが飛び出たエコバッグ
商店街をせかせかどかどか歩く
やっぱりカヌレを買って帰ろう
 
店の軒端で揺れている笹の葉と
色とりどりの願いごと
叶おうと叶うまいと毎年のこと
 
アーケードの切れ目で信号待ち
きいろみどりみずいろあかだいだい
てんでに大人の文字子どもの文字
 
家族が皆健康でいられますように
高校受験に合格できますように
プールで25mおよげますように
 
彼とずっと幸せでいられますように
相合傘にピンクのハートのしるし
雨降りだと織姫と彦星は一体…
 
信号の待ち時間表示のLEDも
あともう少し、向かい合うひとの顔
風でくるりと裏返った短冊を見ると
 
…ん?
ピポ ピポ 行き交う靴とカバン
 
二度見して少しもたついて動き出し
のろのろ歩きになりながらぼんやり
なりたい?観たい?助けて欲しい?
 
食べたい…やっぱり、なりたい…か
かっこいいし、仲間だって多いものな
届くかもしれない夢が飛び回る空
 
悪を倒すのは君に任せた、じゃ私は
悪になれず生きづらいひとを見たら
きっと自分が味方になろう、と思った