Okay, bad joke.

詩のドラフト倉庫

楽しいの補色

楽しいかそうでないか わざわざ意識するのは 胸の奥底にある退屈さ こいつのせいだろうな 好んで退屈しやしない 体が言うこときかない 頭が言うこときかない 諦めることも多々あり そりゃ周りの人間だって 屈託なくはいられなくて 望まなくなったあれこれ 腫…

ひらめきと学歴

私と私の母は大学出で 大黒柱の父は医療短大出 受験の頃なんかはそれで 険悪になったこともあって やっぱり大学出は違う 出たか出ないかを問わず 言われるとヤな感じだろう そんなこと言われても困る 持つもの持たざるもの 時期によるからねそんなの 努力の…

ご機嫌フリートーク

そのひとそれぞれの現状を 細かく知っているかどうかと 物理的距離とは関係ないのかも 話さないひとは話さないもの 情報が日常的に入ってくる方に 親近感を持ちやすいものらしい 何を見てどう感じ何に悩み迷い その積み重ねが自分なりの理解 ぶっちゃけるひ…

病めるワレモノ

冴えない眼鏡のおじさんは 世を忍ぶ仮の姿なのだ 誰もが目を輝かせ空に叫ぶのさ 鳥だ、飛行機だ、スーパーマンだ 一方その頃世界の片隅では 裏も表もくすんだデクノボーが 錠剤を2の4の6つ飲んで眠るのだ 留守番なら犬の方がうんとましさ まともに生きてもい…

音漏れを聴く風

つらいのは君だけじゃない 世間のお説教には鬱屈ばかり あなたに言われる筋合いないし 私のこと何も知らない癖に 雨になると聴いていたが 台風の風だけが残っていた 家で聴くと不安なその音は 体で浴びると心地よいのだ 津々浦々ベッカンコ 遠い地方都市のコ…

I’m good, thank you.

かっこよく負けて散るのと 泥臭い手で勝ち抜けるのと さあどっちが楽なんだろ? そりゃ綺麗に決めたいけど 負けたら負けたで凹むよね あいつのせいと言い合って くさして天を仰いでやけ酒 日々の生活に散りゆく誰彼 どちらともなくブーイング 観たがるのはア…

堅物と迷い犬

落ちていた財布は交番へ きっと困るだろうからね 基本の設定資料は真面目 悪く言うならカッコつけ 確かにおもしろくはない 責められるいわれもない 魚のすみかねるとも言い 疎まし清き川恋しき濁り ある夜 疲れて帰ったら 家の前に何かいたんだ 茶色くてくっ…

クロスワードかるた

綴紐がほどけてしまった本を 丹念に拾い集め順に並べると 落丁乱丁虫食い越しの筆あと 七並べなら「誰が止めてるの」 未来の希望の話かもしれない 上を下へのどんでん返し 何か読み忘れてやしない? 目がかすむ契約書の但し書き 基本の基本の基本の設定が 何…

おあまりの餌

笑えなくて涙が出る時だって まあなんとかなるんだよね 僕にはいい頓服があるからね 飲むととかくだるくて眠くて シートから外した瓶の中の薬 毎回ざあっと手のひらに出し ちょっと安心して大方瓶に戻し その中の一粒だけつまみ出し こんなちっちゃくて丸い…

信じない様

大仰な話はなんか胡散臭い そりゃ信じるのは勝手だし わざわざとめだてはしない それぞれ崇める神はいていい 信じない自由もあるはず もっとこう手で触れられる 具体的な何かが欲しくなる それはそれで人の情だろう うーん、例えばそうねえ 愛そのものには触…

空蝉を裏返す

なんででぇ言われるけえど 自分でもようわからんのよ 幽体離脱?じゃねえけど 蝉が羽化する途中の感じよ わからん?そうよなあ じゃけわからん言ようるが 自分の後頭部見とるような 平生からそんなんかなあ 昔からそんなかったかは えろう憶えとらんなあ 歴…

毎度馬鹿馬鹿

おしどり夫婦の大先輩 こちとら20年選手でい お手本となるいい機会 さあさ心して聴くがいい 胸の内で豪語しながら 当たり障りのねえ話だ いやんなるな我ながら お互い様の目のお仲間 俺のようになれとも なるなとも言えないけど 不機嫌そうだろうけど 祝って…

みこしを担ぐ

かばいたい気持ちは わからないでもなかった わかろうと努力はしたんだ 身内としてならなんとか でもねえ ご愛顧に甘えて 日陰者じゃかわいそうだって 役割を無理くり与えて出して なあなあで認めさせるのはね トホホな身内を黙って養う そういう局面は割と…

鏡台と舞台

この曲では涙ぐんで この曲ではうれしそうだね この話では真面目な顔して この話では笑い出すんだね このパスは通らなかった このカーブで打ち取った この時間は空いてなかった 彼女の願いは叶ったそうだ 自分の都合だけで味わえる ことってあんまりなさそう…

裏打ちの受動

川に沿って走る在来線で 近いようで遠いところへ 性懲りもなくのこのこきて 手もなく元気になるわけで いつもと違う何かってのは 周りについたのりしろが とりわけ厄介に見えるんだ 欲など出すんじゃなかった 叶わない方が気が楽だし 疲れるから何もいらない…

ものわかりの子

指折り数えて待っていた 母の一時帰宅は延期になった 仕方ないでしょ やだああ とんもころし抱えて地団駄 一緒になだめて一緒に泣く 自分の中の子どもが大人ぶる 世の中そういうもんだろう ままならないことだってある どうしていやなの? いやだからいやな…

ポゼッションの沼

自分の家のはずなのに どうしてこうも居心地が悪い 自分の妻子のはずなのに どうしてこうも話が通じない オフの日のはずなのに なんだってこんなに忙しい 必ず返すって言ったじゃない 踏み倒されそうなへそくり あなたはあたしのものでしょ 君も仕事をなくせ…

いたわりの隔たり

不義理をしている親戚の 電話をうっかり取ると のっけに父の下着サイズと 若いひとは綿を着ない話と 連れ添いが先日旅立って 本人も癌の手術に肺の影 身辺整理の真っ最中で 新品の肌着が気になる目 大変でしたねと言ったら へえもう…せえじゃけどな まあ も…

桜の前景

桜以外の花の名前は そんなわかんねえんだよな ウルトラマンの怪獣とか 動物なんかは得意だけどさ 私もお花屋さんのお花は あんまりわかんないかな 小菊とかりんどうとか 買ってもお供えが多いから 桜はいろいろ感じやすいよ 咲き始めの夜の淡い香りも 蕾の…

こもごもの野辺

あんまり準備がいいのも なんだかどうもいやなんだと 子どもっぽいことを言う母も 葬儀屋に問い合わせる午後 百貨店とスーパーの間 本格的過ぎない婦人服売り場 似合うというのも変な感じだ 店員も気の毒そうに見送った ちゃんと出番がやって来て 喪主の母は…

bothのモザイク

ひとが見ているんだから ちゃんとしてなくちゃ もういやだって言いたいな テンション上がってないな そのまんまむきだしても 怒られずにいられる場所 それぞれ持っているもの なければこしらえるもの 表と裏、白と黒、0と1 ハイとロー、さあどっち? 決め付…

孤影ブースター

憶えたいことだけを憶え 忘れたいことは忘れ 脳内はすっきりと片付いて まあ、そうできればねえ 王様の耳はロバの耳 眉間に雷でも落ちりゃいい 深く深く掘った穴っぽこに 泣き叫んでフタをする日々 そうは言っても誰彼構わず 罵倒出来やしないだろう リアル…

次打者の◯

弱さは好きじゃない 自殺ってのを僕は認めたくない 不倫なんてしないし許せない 相手が死んだら死ぬつもり 今時珍しいひとだな 生身の人間は間違うものだ その葛藤をしたり顔で描くのが 芸術だと信じて疑わなかった それはそれとしてのそれを おかしくない?…

仮眠とアラーム

起きても覚えている夢は久々 古びた学校で過ごした私は 帰りそびれて一夜を明かした 始発で帰ってまた戻れば? 誰かのおしゃべりに捕まり 始発を逃して次に乗り込み 白いコンテナが生えた出入口 どうやら特別補助便らしい ガラスの鉢に水と赤い花びら 下手が…

自尊心に償う

恥かかせんじゃないよ 俺が間抜けみたいだろ お前の今後のためにも 今まで通りに続けるよ 何で好かれているかは 自分でもわからないから できたらよく見せたいな いくらなんでも丸腰じゃ やっとそれなりに いい暮らしも出来たし 今後も努力は怠らない もっと…

アホ馬鹿あんごー

江戸でも上方でもない どっちかというと関西寄り 斜に構える中途半端な位置 岡目八目なりの客観性 素人家族がおもしろがるには 代書屋はやっぱり枝雀じゃ (巻き舌で)ヘリどめでんがな ポンでんがな知りまへんか? ウインカーってあるでしょ? 言うて東京なら…

盆回りのボタン

いつか行ってみたいなより 御免こうむりたい二番煎じ バツのリストが今日も伸び ずしりの腕をさするばかり 停止スイッチに手を当てて 頭の周波数を少しずらして 別のことを考えてぼやけて 虚ろな節穴を覗いて終われ いつお前にそれを強いた? 誰がそこにいろ…

運命の後日譚

これって運命なんじゃないの? 頬を赤らめて言い募る女の子 よくあることじゃないの?と その男はつまらなそうな顔 どっちがほんとうになるか 今の段階ではわからないが 幸せそうかどうかくらいは 見ればわかるというものだ なんでも素直に信じていると その…

自由と家族の117

社会だ宇宙だと大上段に 啓蒙したり苦言を呈したり 悼み祈るフリをするより 地に足ついてる方がいい いつかのお急ぎ便が続々 ポストを開ければ不在票 それぞれ依頼する再配達 すぐに開きもしないだろう 雑誌も全部は読めないや かさばるしそろそろ電子化 見…

衆人の輪

片思いしている同級生に 長く連れ添ったご亭主に 一言メッセージを下さい マイクと期待の眼差し まんざらでもないひとも 勘弁してくれよのひとも いていいと思うんだよ 人前ってのは厄介なもの そういうのは直接言うから 困らせるかもしれないしさ 恥かかし…