Okay, bad joke.

詩のドラフト倉庫

洗い物vs書き物

生活だってあるんだから
書いてる場合じゃないんだ
今は踏ん張りどころだから
洗い物どころじゃないんだ
 
その時々にどっちもある
どっちかが下らなく思える
こんなことやってどうする
他のひとでもできるだろう
 
尋ねる自分ごとに違って
そりゃこっち優先ですって
そんな真人間だったっけ?
やめたら終わりじゃねえ?
 
したいことするべきこと
頼めること頼めないこと
だんだんわからなくなるよ
今いないことにしてくれよ
 
眠たい時は寝ていたい
腹が減ったら食べていたい
泣きたいし抱きたいし
死にたいけどがんばりたい
 
自分にしか出来ないことは
ないんだよわかってるんだ
なのに君じゃなきゃ駄目だ
それって絶望だか希望だか
 
あちらこちらのひとに
かけがえないひとのように
褒めそやされるのもいい
僕はひとつあれば他はいい
 
全部の期待に応えるのは
無欲?滅私奉公?傲慢さ
一番の大事が変わるのは
今生きているひとだけだ

あの未来は今

こんな幸せを見せつけられて
何も実現してないおとなの俺
子どもっぽさだけ責められて
なんかつらかったな 観てて
 
私はちょっと違うんだけど
つらさもわかった気がするの
忘れようとしてたなくしもの
聴き分けなく困らせたあの頃
 
おとうさんおはなやさんね
って憶えてる?好きな場面で
監督の描く女の子は長女で
トトロで言えばサツキだって
 
次女の目には「いい子ぶって」
妹への気遣いのなさも問われ
僕は次男坊だしメイに肩入れ
その想いで描いたけど…って
 
私は一人っ子だから長女よ
30年ぶりに急に気付いたの
やだああって泣きたいけど
おとなぶってただけなのよ
 
もしあの時わがまま言ったら
きらわれ見捨てられたのかな
そんなことないってわかった
かわいいなぁって絵だった
 
ずっとずうっと昔からね
おとなだっておとなぶって
口癖を飲み込んだ どうせ…
僕は親じゃなくこの子だって
 
この子の未来に幸いあれ、は
僕の今に幸いあれ、なんだな
この願いを受け止める努力は
親になれなくても出来るから

毎度お馴染み40年

いやあ参った 驚いたね
こんなことがあるとはねえ
俺結構がんばって来たよね
なんか悪いことしたんだっけ
 
おもしろけりゃ基本なんでも
いいんだよ いいんだけど
俺はしょうがない何書かれても
でも親父は勘弁してくれよ
 
俺が知られてるばっかりに
あの世に行ってまでこんな目に
そればっかりは申し訳ない
馬鹿にされてんのが情けない
 
長年大事にしてきたこと全部
踏みにじってネタにしやがる
誰なんだよ証言してるこいつ
人前に出るの怖くなっちまう…
 
黙って聴いていた常連のひとは
眉根を寄せ瞳に炎を映しながら
それはそれとしてお茶を飲んだ
聴く前と後で何か変わった?
 
いいえ、別に何も
知らないひとは非難するかも
そんなひとなわけがないでしょ
何故って言われても困るけど
 
ひとの話が証拠になるなら
誰だか知らない密告者よりは
馴染みのあるひとの話の方が
年月の分厚みがありますから
 
言いたい主張は常にアリモノ
新商品開発 売るのも仕事
それで見損なうような相手を
探す踏み絵 それだけのこと

楽しいの補色

楽しいかそうでないか
わざわざ意識するのは
胸の奥底にある退屈さ
こいつのせいだろうな
 
好んで退屈しやしない
体が言うこときかない
頭が言うこときかない
諦めることも多々あり
 
そりゃ周りの人間だって
屈託なくはいられなくて
望まなくなったあれこれ
腫れ物も立つ瀬がないね
 
楽しむための手段を
あれこれ選べるひとと
同じではいられないよ
ふざけてやしないけど
 
暗い目をして爪を噛み
よくない結果に舌打ち
真剣にやってるっぽい?
そんなの日常茶飯事
 
そんなフリしなくても
基本つまんないものだろ
ストレスは御免こうむるよ
佃煮にするほどあるもの
 
体を壊した後の方が
お大事にって言うもんさ
悩んで笑えなくなったから
笑わせたくなるんだろうな
 
果てもなく欲しがるのは
一度なくしてしまったから
なくしたことがあったから
やさしくなりたかったんだ

ひらめきと学歴

私と私の母は大学出で
大黒柱の父は医療短大出
受験の頃なんかはそれで
険悪になったこともあって
 
やっぱり大学出は違う
出たか出ないかを問わず
言われるとヤな感じだろう
そんなこと言われても困る
 
持つもの持たざるもの
時期によるからねそんなの
努力の位置が違うだけかも
今がよければそれでいいよ
 
お膳立てされたお楽しみ
立場上のハンデとやりくり
元から条件に段差がある話
不公平センサーのイラつき
 
誰を誘ったか言わなけりゃ
無理出来たかもしれないな
なんだよもう十分じゃんか
つつかれひっこむ殻の中
 
自分には基本の装備でも
相手には自尊心の要かも
戦う気が萎えるって嫌悪も
知ってるはずだと思うけど
 
悔しいと思うんならやれよ
同じこと言われてやるの?
身の丈に合った謙虚と素直
張り合う場所は他にあるよ
 
無理すれば本気だなんてさ
お互いを試すのもうやめな
そいつは自分も責めるんだ
疑って幸せは見つかった?

ご機嫌フリートーク

そのひとそれぞれの現状を
細かく知っているかどうかと
物理的距離とは関係ないのかも
話さないひとは話さないもの
 
情報が日常的に入ってくる方に
親近感を持ちやすいものらしい
何を見てどう感じ何に悩み迷い
その積み重ねが自分なりの理解
 
ぶっちゃけるひとは少ないな
それが仕事じゃないと言えば
確かにそれまでのことだけどな
だんだん輪郭がぼやけるんだ
 
何を言ったら怒りそうか
何を気遣えばよろこばれるか
勘所が見えなくなった時は
黙っているしかなくなるものだ
 
力で役に立たないならせめて
元気が出そうなことを思い付け
一休さんよろしくポクポクで
考え続けてはいるんだけどね
 
材料と瞬発力が足りない
これも嘘くさいのかなと迷い
そしてまた今日もだんまり
言葉の無力に晒されつつ祈り
 
いくらかは編集するにせよ
自分事を話すのはむずかしいと
思い知らされるところもあるよ
誤解されるかも 嫌われるかも
 
辛抱強い制御で弱音を吐かない
自分を律してケアして気晴らし
見習いたいし愚痴でも聴きたい
信じて話しだす度胸もありたい

病めるワレモノ

冴えない眼鏡のおじさんは
世を忍ぶ仮の姿なのだ
誰もが目を輝かせ空に叫ぶのさ
鳥だ、飛行機だ、スーパーマン
 
一方その頃世界の片隅では
裏も表もくすんだデクノボーが
錠剤を2の4の6つ飲んで眠るのだ
留守番なら犬の方がうんとましさ
 
まともに生きてもいないのに
何か出来るとでも思うのかい
思い上がっていやしないかい?
鏡を見ろよ ねぼけ面の穀潰し
 
最初の頃、医者に釘をさされたよ
こういうひとは油断してると
ボランティアとか言い出しますよ
今は水没の街の病院勤務のひと
 
働いて無理していい気になって
頼りにされていると思い込んで
下駄脱いで裸足でオロオロして
経済も体調管理も最背面に見え
 
丈夫で五体満足なひとだけに
人助けの鍵が届くわけじゃない
でもイチかバチかのサイコロに
振り回される苦しみは選ぶまい
 
他のことだってそうなんだろ?
どうにかなる気がしたことも
三次元ではペナペナなんだよ
お前なんかつとまりっこないよ
 
健やかな幸せなんてものに
白旗を出して楽になるといい
何をしなくてももうおしまい
かばって形代にもなれない癖に