Okay, bad joke.

詩のドラフト倉庫

柚子のある横道

歩いて仕事場に行く時は
ちょびっとだけ近道だから
居酒屋前の路地を通るんだ
軽四でも入れない道さ
 
昔は通ってたと思うよ
友達んちの自動車工場の
すぐ脇に出る道だったもの
時々は自転車で本屋にも
 
秋くらいからあったのは
多分柚子の実でたわわ
食べないのか食べてんのか
とにかく鈴なりなんだ
 
大抵セカセカしちゃって
黄色は残像がいいとこでね
帰りは真っ暗 曇る眼鏡
星空にも気を取られるしね
 
それがここ数週間かなあ
手前の木が咲きだしてさ
品種はよくわかんないや
早咲きの桜だと思うんだ
 
普段からじっくり見てりゃ
桜の木かどうかくらいは
見分けられてたのかなあ
つい立ち止まって眺めた
 
通う度に花が増えてんだよ
花粉症だし春っつっても
いい思い出なんかないけど
それでもかわいいもんだよ
 
柚子はまだまだたんとある
散歩の黒犬がうんこしてる
手前に用水路が流れている
去年は気付かれないでいる