Okay, bad joke.

詩のドラフト倉庫

笑い話を生きる

普段通りにしてみせる方が
しんどい時だってあるものだ
遺影を抱えて涙をこぼしながら
坊さんが払いのける蜂に笑った
 
人間だけは笑う 何故笑う?
先の先のことを心配して苦しむ
もう手に負えない想像力の代償
無心に生きられない その付録
 
いつまでもしょんぼり落ち込んで
気の毒がられるひとのままでいて
心のどこかでそう願うひともいて
ことのほか元気そうだと拍子抜け
 
絶望の淵ばかり見ていられないよ
だって一日限りじゃないんだもの
ひっくるめて毎日の生活のこと
つまり自分事ってそういうこと
 
つらい時におどけてみせるのは
どうにか相手を笑わせたいから
誰かを一瞬でも楽に出来たなら
ようやく自分も心から笑えるから
 
笑いながら怒ったり泣いたり
ケーキを焼いたり花を植えたり
セーター編んだり寿司握ったり
おいしいかわいいあったかい
 
誰かの嬉しそうな顔を見てやっと
自分はまだまだ大丈夫なんだなと
確かめられる そういうものかも
最初は下手っぴでぎこちなくても
 
縮こまってありがとうを言うより
ありがとうを受け取る方がいい
遠目の憐れみより一緒に笑いたい
言えなかった悲しみを笑いたい