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Okay, bad joke.

詩のドラフト倉庫

テイク・アウト

 

そんじょそこらのやつらよりは
辛酸とかいうやつを舐めて来た
眉唾な体験談にフィクション
半端な苦労自慢はもうたくさん
 
それで終わりかよつまんねえな
いたわられたがりのやつらは
面白いほどひきつって後じさりして
ドアを閉めながらじゃあまあ元気で
 
今度も追い返してやるつもりだった
地味でぼんやりした女だった
愚痴も聞かせないが苦労知らずだ
蔵出しの癪に触る話をしてやった
 
そいつは何度かまばたきして
首をかしげて不思議そうな顔で
「大丈夫よ」
「誰がだよ、なんでだよ?」
「理由はさっぱりわかんない」
「んだよ、それ」
「あ、何か飲まない?」
「俺の話聞いてんのかよぅお前」
 
うん、自分で話せるってことはね
モノガタリになったってことかもって
病院の一階のカフェに行って
買ってきたラテの片方を渡しつつ
彼女はにこにことそんな風に言う
本の受け売りだけどね、とも言う
 
「なんて本?暇だし読もうかな」
「忘れちゃったわ」
 
旨そうに飲む横顔を眺めながら
カップを傾けあちっと舌を出した