Okay, bad joke.

詩のドラフト倉庫

スイッチバック

柿でもむこうか?
おっ、柿あんだ
うん、夕方ご近所に頂いたから
そりゃいいな、頼むわ
 
ノートパソコンを軽くたたむ
伸びをしながら手元を眺める
ぺらぺらのまな板と果物ナイフ
四つ割りにしてから皮をむく
 
へー、そうやってむくの
んーよくわかんないんだけど
お尻からくるくるむいてくと
ヘタが取りにくい気がするのよ
 
この柿、種あるんだな
珍しいよね、種なし増えたから
色も形も懐かしいな、なんか
家にあると案外食べないらしいわ
 
四つ割りを二つに割る
ガラスの器とちっちゃいフォーク
いただきます いただきます
甘いね 種ンとこがとろっとしてる
 
忙しいのに邪魔しちゃった?
いや、ちょうど詰まってたとこだから
気利かせて声かけたんじゃねえのか
ううん、私が柿食べたかったから
 
お茶でも飲む?
うん、飲む。飲みたいんだろう?
ええそうよ、と肩をすくめて笑う
コーヒー紅茶ほうじ茶 コーヒー頼む
 
持ち帰った仕事とちっとも関係ない
生産性も別段ないどうでもいい話
なんなんだろうな、首かしげ腕まくり
どうにかなりそうだ、もうひと頑張り