Okay, bad joke.

詩のドラフト倉庫

両親と良心

サンタさんの恰好をして
ケーキを売る店の前
サンタさんの恰好って
見た目より意外と寒くて
 
下にダウンを着込んだり
カイロを握りしめたり
お客さんがいない時に
ヒゲを飛ばすくしゃみ
 
自分で言うのもなんだけど
他のよりホンモノっぽいよ
中のケーキにヒイラギを
一個一個飾ったのも僕だぞ
 
不意に裾を引っ張られた
うん?と振り向いたら
真っ赤な頬の男の子が
じいっと見つめた
 
お おお こんばんは
ケーキをご所望かな?
ごしょも? あ 違うか
お父さんかお母さんは?
 
なんかね みつかんないの
はぐれちゃったの?迷子?
サンタさんはどうしたの?
まだここにいていいの?
 
僕…わしは大丈夫じゃ
おてがみよんでくれた?
ご両親らしき若い二人が
駆け寄ってきて頭を下げた
 
ケーキ下さい 小さいの
お手紙多くって大変でしょ
なんの 毎年楽しみじゃよ
いい子にして待つんじゃぞ