Okay, bad joke.

詩のドラフト倉庫

老人とヘルパー

もうねえ、老い先短いわけだから
…そうですねとも言いづらいですが
ひとを小馬鹿にしたようなものには
あたら時間を費やしたくないわけだ
 
だからってねえ、若いひとみたく
気に入るものが見つかるまで探す
いい情報集めにどうかこうかする
そうまで凝る気勢もないときてる
 
イヤ、まあうちの親父もそうですよ
文句ばっかです、見るもの聴くもの
文句が言いたいのが先なのかと…
ま、それも正直なくはないだろうよ
 
老人はいい思いをして、とも言うが
イヤな目だって見てんだ、そりゃあ
君らが作り物でしか観ないものをさ
他人がどうでも、俺はもう御免だな
 
人間は愚かで過ちを犯すものだとか
ひとはひとを悦楽でイジメるんだとか
そんなことはね君、承知之助なのさ
今更騒いでもちっとも面白かないさ
 
いくら得意気にはしゃがれたってさ
つまらねえものはつまらねえやな
仕方なくやっつけてそうじゃないか
それが仕事のひともいますから…
 
全部が全部じゃない、いいのはいい
ムラがあるのも娯楽じみてて悪かない
ただ自分の親に最後に見せる時に
これを選ぶつもりかねと俺は言いたい
 
不平不満なんざ知らんよ選ばんからだ
貴様ふざけるなって殴られたもんさ
やっと屈託なく笑える歳だってのにな
実におかしなことで食える世の中だ