Okay, bad joke.

詩のドラフト倉庫

リザーバータンク

 

目を覚ますと部屋はしんと暗く
したままのイヤホンにふと気付く
のろのろ外すと雨音が近付いた
どうやら床で寝てしまったらしかった
 
腕時計を見ると午前二時過ぎ
どうしたんだっけ 体が痛い
ああ、残業中にフラついてたら
先に帰りなさいって言われたんだ
 
解熱剤ってもう飲んだっけ
飲んだから寝ちゃったんだっけ
テーブルに薬瓶とコップの水
残り三分の一を生ぬるく飲み干す
 
婦人体温計曰く今は37.39℃
明日休めるほどではないけど
シャワー浴びても大丈夫かな
冷蔵庫になんかあったかな
 
出かけたままの恰好なんだし
そのままコンビニに行けばいい
でも今朝も行ったし雨降ってるし
髪も化粧もくたびれちゃってるし
 
家族といた時は家族の都合で
したいことが出来ないと不機嫌で
いなければ自分のためになんて
何ひとつ丁寧に決めてやれなくて
 
冷蔵庫の扉のずっしりも億劫で
服の脱ぎ着も洗顔も面倒になって
その癖、外着で布団に入りたくない
もういい朝にしよ 元の床にごろり
 
昨日のフライパン洗ってなかったな
トイレットペーパーも買えなかった
明日もずっと降るのかな
洗濯部屋干しと、あ、ゴミの日か…
 
横倒しのカバンにモバイルフォン
ひんやり眠るすっかり切れた充電
アラームが目を覚ますまでの時間
ざあざあと溜まる生活の中ぽつん