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Okay, bad joke.

詩のドラフト倉庫

おやすみのところ

 

からだたちは相談して
脳に休暇をあたえました
脳はうんうんと素直に頷いて
こんこんと眠り始めました

からだたちは口々に言います
「きゅうくつだったな、まったく
「かってにきめられないんだもの」
「やかんがあついかどうかくらい」
「きっとつかれてるよ、おたがい」
「むかしはこうじゃなかったの?」

脳は鼻提灯で寝返りをうちます
「まあでも、どうしようね?」
「ぜんぶまかせてやってきたから」
「いざってなると、わかんないな」
「なにかしなきゃだめなんだっけ?」
「うるさくすると、おきちゃう」

からだたちは努めておとなしくしました
時には髪やヒゲや爪をこっそり伸ばして
ちょっとくらいはイタズラもしましたが

遠くから誰かが呼んでいる
そんな気がする日もありました
ある日は左手が、ある日は唇が
ふっとそれに気付いたのですが
脳はすやすやむにゃむにゃ眠ります

からだたちは退屈してきました
こぜりあいするものも出てきました
「だいたいおまえらにはあきあきだ」
「こんなところからはでていってやる」
「よせあつめのひょうろくだま」
「おこさなければ、じゆうになれる?」

肺がフイゴを、心臓がポンプを止め
からだたちが血管をほどきかけた時
さすがの脳も気付いてぱちくり

鼻がかゆかったので掻いてみたら
丸椅子に腰掛けてうたたねしていた
脳とからだたちのお嫁さんが
ぴくりと目を覚ましまじまじと見つめ
ねえ、気付いたの?私がわかる?

うんうん、と頷くと目に涙をためて
あたふたとひとを呼びに行きました