Okay, bad joke.

詩のドラフト倉庫

おむつの旗

長きにわたりお育て賜り
誠にありがとう存じますの三つ指
そう思うんかなの苦笑い
寒かったんよ 春まだ浅き日
 
憶えていない頃の自分のことは
母が折々に話した言葉で憶えた
ほとんど寝るばあしよんじゃから
最初はまだ目も見えよらんからな
 
毎日ちいとずつ大きゅうなるし
おむつがガバガバで横から漏るし
さっき着替えた思うたらブリブリ
いっぺんにしてくれりゃええのに
 
おむつも乾かんのよ布じゃけえ
ばあちゃんが手伝いに来とって
外の流しで洗いよったら風邪引いて
竿へ干したらすぐバリバリに凍って
 
なんぼかしよったら動き出すんよ
モッコモッコ這いよんじゃけど
んっ…いうて止まったらうんこよ
ありゃ待て待て言うたら逃げるんよ
 
庭の木瓜のとこでしーしー言うて
…うんことしっこの話はええって
食べて寝てうんこしっこじゃけえ
たまになんが面白えんか笑よんで
 
近所で介護に疲れた男のがなる声
もう、きったねえなあ!足上げえ
母も一時期祖母が寝たきりになって
神経質に消毒液で持ち物を拭き始め
 
でもばあちゃん汚いは言わなんだな
おむつが汚いと思うたことはないな
あんたは厄介なけどそこはえらいな
わからんけどそうかな、親じゃから