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Okay, bad joke.

詩のドラフト倉庫

寝て待てば

 

「ああ、その話…」
急に友達の声のトーンが二段階下がる
「そんな顔するなよ。僕も弱ってんだ」
「前の時も弱ってたんだろ。ひとの話聞いてたのか」
「うんまあ…。でもなかなかこう」

我ながらありがちで犬も食わない相談だった
振り向いて欲しいひとは僕に鼻も引っかけず
面倒そうな女にはつきまとわれる

「お前がしっかりしてれば済む話なんだよ。
堂々と何度でもアタックする、片方には毅然と断る」
「なんだかでも、僕もあしらわれてる立場だろ?
強く言いづらいし、やんわりだと納得しない」
「ひとまずその女はいいや。お目当ての方とは?」
「適当に濁されてる感じだな。まあ仕事があるから
険悪になりたくないってのもあるんだろ」
「本音は迷惑がってると思うか?脈なしだろうって」
「バッサリ言うなぁ。多分そっちだろうけど」

友達は冷めたブレンドをすすり、顔をしかめると
「お前のは相談じゃない。愚痴か、さもなきゃ自慢だ」
「そんなんじゃないけど」
「わかった、言って欲しいことがあるなら言ってやるよ。
『やめとけ』か?『どうにかなるよ』か?お安い御用だ」
「……」
「お前の話を聞いてると、知りもしない女まで疎ましい」

確かに話せば話すほど理解されず不満に思え
提案はどれも自分には実行出来ない絵空事に思え
好ましい解を出してくれない友達が頼りなく思え
知らず知らずその失望は態度に出ていたものだろう

ずるずるのままに本命はあっさり玉の輿で寿退社
面倒女は体調を崩し遠い実家へ引き揚げそれっきり

「幸せであって欲しい」「距離を置きたい」
祈る以外何もせず望みを叶えられた僕の胸には
暴風警報が解除された金曜の登下校の空と
あの日友達が飲んでいたブレンドが染みとおる