Okay, bad joke.

詩のドラフト倉庫

ものさしと身の丈

高学歴とかおっぱいでかいとか
稼ぎがいいとか背が高いとか
顔がいいとか心がやさしいとか
ひとのものさしはいろいろだ
 
こう言うと身も蓋もないけれど
与しやすいから声をかける面も
なくはないんだ それが人の世
お高いひとに道は尋ねにくいよ
 
なんだったら教えられることが
あるかもなんて自惚れたりしてさ
ひとがよさそうな相手を探すんだ
お手軽に感謝を欲しがるのも業さ
 
その場限りならどうでもなくても
繰り返すとだんだん焦るものだよ
ああ自分の中には何もないのかも
毎日かき回す引き出しは空っぽ
 
そこからものさしほっぽり出して
上だ下だの基準をきっぱり忘れて
ひととして裸足でめぐり逢って
身の丈で話そうとあがくんだね
 
感情の呼び名は無数 欲も出る
いやにもなるしがっかりもする
わかろうとし過ぎれば心が疼く
日向と日陰を交互に踏んで痛む
 
最初はあることすら知らなかった
仄暗いウロの前で息を乱したまま
知ったかぶりに濡れてよじれてさ
同じひとじゃないみたいだ
 
変わらずいて欲しいどんなひとも
変わらずには生きられないもの
そのたび産声をあげる裸んぼ
飽きず戸惑う縮尺違いのこの世