Okay, bad joke.

詩のドラフト倉庫

目的地の周辺

随分ざっくりとした地図で
僕はどうにも方向音痴で
ハナから覚束ない気分で
でもおくびにも出せなくて
 
いかにも自信たっぷりに
背筋を伸ばし大股で歩き
ここだと思う角を曲がり
うん、多分きっとこっち
 
…あれ、おかしいな
ここにあるはずの郵便局が
どうも見当たらないな
方角はあってるはずだよな
 
しばらくは頑なに信じない
大きく間違ってはいない
なんたってこんな地図だし
なんなら誰かに訊けばいい
 
そろそろ間に合わないかも
コンビニに駆け込むと
バイトの女の子は困り顔
よくわかんないんですけど
 
ぷつりと切れた凧の糸が
ぐるぐる遠ざかる僕の頭
さっきまで正しかった
あの道は一体なんだった?
 
まったく癪に障るけれど
観念して電話を手に取ると
迷ってるみたいなんですよ
なんだ、早く言って来いよ
 
降参するしかないんだ
明日も迷うにしたってさ
どこから間違ってたんだ
そんなのは後でいいから