Okay, bad joke.

詩のドラフト倉庫

道草と接点

マンガのついた靴の踵を踏んで
首がヨレたしわっぽいTシャツを着て
うつむいた野球帽の男の子の手
しゃがんでウサギグサを摘んで
 
犬につられたあぜ道で立ち止まり
困ったな、子どもって得意じゃない
こうして見ると結構狭い
うまくすれ違えないかもしれない
 
シロツメクサに鼻先を突っ込む犬
私のわからない何かを嗅ぎ分ける
フンフンはいいから、もう行こう
男の子もとっくに気付いている
 
犬を見てしゃがみ、でも触らずに
ぶんぶんする尻尾にちょっと笑い
でもこっちには目を合わせない
ああ、なんだろう、おんなじ
 
うさぎにやるの?
考えた割につまらない言葉を
とっかかりにして話し出す男の子
うん、学校で、交替でやるの
 
うさぎ、かわいい?
おれは犬の方が好き
鼻ばっかりぴくぴくしてるし
縦笛でつついたら怒られたし
 
ミニウサギだっつってたくせにさ
なんか超でっかくなっちゃってさ
たまんないよ、やたら食うんだ
たまらずあははと上向きで笑った
 
男の子が田んぼによけてくれた
ありがとうと頭を下げて通り抜けた
えらいねとかうさぎも待ってるよとか
言おうか迷ったけど言えなかった