Okay, bad joke.

詩のドラフト倉庫

ローカルと時空

ひょんなことから設計図を手に入れ職人が集い  
念願のタイムマシン完成、ある研究所でのこと

「ぼぅれぇのう。こがんもんが飛ぶんか」
「空は飛ばん。ここらぁでワープすんじゃと」
「せーで、でーが乗るんなら」

研究には時間がかかり、関係者も年を取る
過去がいい、いや死んだ後の未来が気になる
喧々囂々、話はいっこうにまとまらない

「ワイは娘が生まれた頃に戻りてぇのう」
「なんでな」
「そっりゃ、嫁も子ォもかぅぇらしぃしワイも若ぇ」
「そがんこめぇ理由、まんが悪うて帰れんなったら」
「帰れんげなこともあるんじゃったかな」
「おンめぇ、ひとが作るもんに絶対やこぁねかろうが」
「ほうよ、どしゃげてめがっしもうたらしめぇじゃわ」

「ほんなら、災害じゃ事故じゃの前に戻ってから
せーが起きんようにどねんかてごーせんか」
「わしゃ昔本で読んだんじゃけぇど、なんせぇ、
行た先をいろうたりしたらおえんらしいぞ」
「なんでな」
「未来が変わってしまうんじゃと」
「変わったらおえんのかな。ほんなら、何しぃ
タイムマシンやこ作るんかのう?行て、見て、
カラ手でいんだらしめぇじゃ言うてや?」

皆、天井を仰ぎ、しばし考え込む
「自動運転やらCCDカメラやらちーとりゃ」
「そりゃ、また図面引いて工程して見積取らにゃ
おえなぁ。すぐにすぐいう話にゃなりゃすまぁ」

丁寧に磨かれ鎮座したままのタイムマシンは
今日の夕陽の照り返しにうっとり染まる