Okay, bad joke.

詩のドラフト倉庫

空席アテレコ

自分の食べる音なんか
気にしたことがなかったな
うちは割と大家族だったから
なんだかんだ騒々しくてさ
 
喧嘩してる時もあるし
好みのおかずばっかじゃない
でもどのみちハラは減るし
食わなきゃ食われちまうし
 
ひとりで飯食ってると
雨音も救急車のサイレンも
隣町の交差点のピポ・ピポも
聴き分けられそうになるよ
 
なんかもう怖くて
手探りでテレビをつけて
笑い声に笑われてる気がして
物騒なニュースは同い年で
 
俺がささくれるようなこと
悪びれず流さないでくれよ
俺じゃないターゲット
そんなことわかってるけど
 
自分だけを心配する声が
向かいでご飯を食べてたら
なんでもうまいんだろうな
適当に聴き流すんだろうな
 
有り余るヒト型の微笑み
どれひとつ俺仕様じゃない
誰のことも思い描かない
驚いたフリのクロマキー
 
俺以外目もくれないやつが
いつでもいてくれないかな
手渡しのびっくりとハテナ
いやになるまで話さないか