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Okay, bad joke.

詩のドラフト倉庫

気付きの順序

バイトで渡された着ぐるみは
近くで見たら薄汚れたパンダ
すえたような臭いにむせながら
頭のてっぺんから汗をかいた
 
友達に見られたくねえなあ
とにかく三日の辛抱だからな
おおい、何ボヤボヤしてんだ
あっはい、今行きますから
 
風船につけたパンジーの種と
印刷ハガキを両手でそっと渡すと
パンダさんありがと、と笑う子
怖がる子、蹴る子、無表情な子
 
朦朧としつつ休憩前ラスト一人
持ち損ねた風船はふわりふわり
あ、…こっちでいい?
やだあ、あれえ、あれがいい
 
頭突きしそうになってこらえて
走り出した先に妹が立っていて
おン前なんでここにいんだ どけ
えっ、お兄ちゃん?何やって…
 
狭い視野に白い幕、黒点ぽちり
足の力が抜けてひっくり返り
やだっ、ちょっと!しっかり
かぽっと頭を外されて台無し
 
同じ色の風船渡しゃいいんだよ
呆れて水を差し出す先輩バイ
ごめんなさい、兄がご迷惑を
いやその…似てないね、妹?
 
急に声を低く張る先輩をねめつけ
もういいからお前は早く帰れ
心配そうな顔が肩から震え出して
なあにそのカッコ うるっせえ