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Okay, bad joke.

詩のドラフト倉庫

黄行燈

 

文化祭で暗夜行路を引き当て
お化けにかぼちゃも仲間入り
ぐるぐると形を整える放課後

ベニヤをのこぎりで黙々切り
釘で打ち付ける当番の男子に
黄かぼちゃをかぶって近寄り

手隙を見計らい肩をトントン
「はい?…うわっ!」
掴みかかる手の形で、ぐあぁぁぁ
「んだよ、宮坂かよ…」

びっくりした?と言い返そうとして
ジタバタ、モガモガ、へたり込む
「…なにやってんの?お前」
「ちょ、やだこれ、取れない」

あちこちから引っ張ってもらうが
元々かぶるものでないせいか
引っかかって外れる気配がない

そのまま閉門時間のトロイメライ
かぼちゃは男子に手を引かれ
階段から下駄箱までヨタヨタ下り
家までの角々ごとに冷やかされ

「ゴメンなさい」
「そればっか言うな。ここ右?」
「うん…あの、もう、このへんで」
お互い手をパッと開いて離れる

「ありがとう」
「別に。他の女子、塾だし」
「ゴメン、恥ずかしかったでしょ?」
「かぼちゃの方がそうでもねーよ」
「何よそれ、どういう意味?」
「るせぇ、じゃあな!」

慌てて手を振るかぼちゃとその影

家でも家族にひとしきり笑われ
でも外からひねるとあっけなく抜けた

壊さずに済んでよかったと安堵して
よみがえる肩と手のひらの体温と
くりぬいた目に時々かかった息遣い