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Okay, bad joke.

詩のドラフト倉庫

かしこみて

 

気むずかしくなってきた息子の
ただいまも言わずに通過する横顔
息子の部屋のドアに貼られた
ひっちゃぶいたノートの切れっ端には
 
「メシ 一回」
「風呂 二回」
「朝起こす 三回」
「ドアを開けない!」
 
特売豚ロース白菜人参えのき水菜
鍋つゆのパウチを振りながら
首をコキッと鳴らして口ずさむ小声の
途中からフフフンのサイレント・ナイト
 
そうは言っても狭い家で
息子の咳き込む音は筒抜けで
ついさっきの電話も聞こえたかも
えっ、あなた今日も食べてくるの?
 
ドアの前で指差し確認し
ドン、と一回
返事もせずに咳き込みつつ
ドアが開いてぬぼーっと現れる
 
申し訳程度に手を合わせる
黙々食べて鼻をすすり咳き込む
ちょっとアンタ、風邪引いたの?
食べたら薬飲んどきなさいよ
薬箱わかる?自分でやる?
頷いた拍子に鼻がピーと鳴る
 
ドンドンとドンドンドンで
朝は遅れ締めのうどんと玉子粥で
洗濯機を回して残りうどんをすすり
昨日の赤い耳に思い出し笑い