Okay, bad joke.

詩のドラフト倉庫

観察のトリミング

あいつホント見てらんないよね
夏のうちに彼女見つけなきゃって
焦ってる癖にそう思われないように
なんでもないフリしちゃってバッカみたい
 
えっ、私全然気付かなかったけど
そう見えるのってどういうところなの?
だからあ、補修の時、席自由なのに
ブリハマチの隣に絶対座ってるし
 
そのアダ名もひっどいから
まあ確かにあの娘媚び媚びだけどさ
でしょ、シャー芯忘れるのわざとなのに
あいつまんざらでもない顔で貸してるし
 
ふうん、他には?
ナップサックにキューピーつけてたりさ
誰が、あいつが?
うん、何それ待ちなのバレバレだから
 
あとタウン情報誌急に読みだしてんの
どうせ、花火にでも誘うつもりなのよ
うーん、どうかな、フラれるんじゃない?
そう思う、あの娘って自分好きなだけだし
 
それにしてもよく見てるよね二人のこと
別に、鬱陶しいから目に入るだけよ
私、結構一緒にいるけどわかんないな
そんだけ気付いてんなら声かければ?
 
誰が、あたし?
うん、ブリハマチよか合ってんじゃない?
冗談じゃないわ、こっちがお断りよ
なんで滑り止めにされなきゃなんないの
 
男子なんてただモテてみたいだけだから
それにそんなに細々観察出来る相手なら
同じ目でいいところも探せばいいじゃない
もう見つけてるから腹が立つんじゃない?
 
違うわよ、やめてよね余計な勘ぐり
案外断わんなかったりしてね、ブリハマチ
そう言われるとそれはそれで変に凹む
これが恋なら夢見てた想像と全然違う