Okay, bad joke.

詩のドラフト倉庫

限りある永遠

縁起でもねえな…としかめた顔を
横目で見ながら肩をすくめると
だってみんないつかは死ぬんだよ
だからひとの無事を祈れるんでしょ
 
お前、ねじくれた性格してんなあ
やたら長生きしたがるやつってさ
死ぬだなんだよりこう、前向きな…
なんで?死ぬってそんな特別かな
 
…まあ、うちの親父やおふくろには
さっきの俺みてえに叱られてたかな
タブーとまでは言わねえけどさ
そっかあ、そっちがいいんだろな
 
僕んちは、ばあちゃんが癌になって
余命半年がなんだかんだ持ちこたえて
ずっと胃潰瘍だって嘘つき続けて
死ぬ死ぬを抱えて十年いたからねえ
 
今日を生き延びたことに安堵しても
不老不死の奇跡なんか夢見ないもの
わかってても夜中の電話は怖かったよ
案外今は極楽で元気にやってるのかも
 
うん、いや、なんつったらいいか
俺、自分ではもう死ぬとか言うんだ
縁起でもねえこと、まあ言うんだ
でもひとに言われっと、なーんかさ
 
知ってるよ、だから気にしないでよ
長い短いも苦楽もあるだろうけど
人間死ぬまでは生きるんだもの
それが永遠ってことでいいでしょ
 
僕はもう一生分嘘ついた気がする
だから本当のことを言って生きる
死にたかったも長生きしようも本当…
ヘックション!で遮り探すマスク