事実よりキテレツ
「声に出して読んでいますか?」
ある時私の先生はおっしゃった
え、そんな決まりがあったのか
自分で考えて自分で書いた癖に
自分で読みあげてけつまずき
辞書を開いて探す別の言い回し
リズムを整えるためなのだと
先生はおっしゃったのだけれど
ぶつぶつ読んで気付くこと
文法は恐らく間違っていない
念入りに探したはずの誤字脱字
頭の中では得意満面これで完璧
読んで頭から出して耳から聞けば
なんだかわざとらしくはないか
ひとにはつまらないんじゃないか
最初の感情は削られ一旦鈍化する
変えるのが嫌ならお蔵入りする
大抵はそれでよかったと後から思う
何なのかどうしてなのかを伝えたい
言葉は道具であって自分ではない
失敗もあるからそれは違うと言いたい
面と向かって言えないことが
文字なら素直に書けるともいうが
ともすればお門違いの逃げ場
慳貪邪険、誤解の種ならば
ヘンテコリンに育てて笑わせる
どちらにも限りある人生ならば
時間を無駄にする甲斐もある