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Okay, bad joke.

詩のドラフト倉庫

いわくおもわく

 

咳込みながらタイムカードを押す
ほこりっぽい紺の背広に声をかける
先輩、おはようございます
ああ、おはよう
どうかなさったんですか、その恰好
 
ったくもう、やられたよ
うんざりと苦笑いが混ざった顔
曰く、お望みのプレゼントは枕元
上の空の息子が眺める窓の外
あくびをしながらかじるトースト
 
ねえサンタさんかえっちゃったの?
そりゃそうだろ、他にも行くんだよ
へんだなぁ、どっからきたんだろ
?北の方だろ、じゃ先に出るぞ
あ、おとうさん、まって、あの…
 
ドアを開けたらポリバケツが飛んで
それをよけたら足元ががくっと抜けて
上から降ってきたのは薄力粉で
ガムテープをはがすのに手間取って
…まあ、そんなこんなでね
 
サンタ捕獲大作戦ですかあ
気付かれずに仕掛けるのも大変だわ
それもそうだな、ったくバカなんだから
捕まえてどうするつもりだったんでしょ
なんでも、お礼を言いたかったんだと
 
ありがとうは、直接相手に言うんだぞ
そりゃ確かに普段俺はそう言ってるよ
だからって…何がおかしいんだ?
…それで、息子さんどうされました?
しょげて謝られて怒るに怒れなくてな
 
ごめんは直接言えて、何よりです
いつまで笑ってんだよ、全く
来年は俺の分も願いが叶わなきゃ
どうにも割に合わねえや
声は不機嫌なままでフッフッと笑った