Okay, bad joke.

詩のドラフト倉庫

いつもの続きを

 

最近テレビで紹介されたとかで
最後尾がかすむ行列の店
手を叩きながら笑う若い女の子
仏頂面でデバイスに見入る男
 
学食のショーケースの前で
でかいリュックにネルにズックで
背中を丸め取捨選択長考の男
その姿に昼を抜いた若かりし頃
 
曲がったこともない角で左へ
路地を出まかせに歩いて
初めて入る定食屋は客一人
亭主が覗いてえらっしゃい
 
小ぶりのメンチコロッケ二つ
冷奴にわかめと麩の味噌汁
トマト千切りキャベツしば漬け
えらっしゃい、ふと見ると親子連れ
 
女の子はちょこんと母親の隣
父親は向かいで荷物を受け取り
肉うどん、鯖味噌定食
あ、お茶碗ひとつ頂けます?
 
ハイヨ鯖味噌定肉うどん
茶碗は定食の飯茶碗
いただきまぁす
母親はうどんをつまみふうふう
茶碗に取りちょっとすすると
はい、おうどん、ちゅるちゅるよ
 
ケホケホむせたら背をさする
鼻じゅるチュンでほっぺをつつき
肉と鯖味噌一部トレード成立
小さなラジオから寄席の出囃