Okay, bad joke.

詩のドラフト倉庫

生きる大義

死にてえなあ
頭の中で弄んだその言葉が
目ピリ鼻ツンで食道を通過
胃壁を逆撫でて吐きそうだ
 
耳たぶと唇が寒くって
やってられねえ
向こうから近づく子連れ
ぺんぺん草に笑い声
 
何かこう 通りのいい
ごもっともな理由が欲しい
成績悪いし友達いないし
それじゃあみっともない
 
世界が滅びるとかさ
戦争で死ぬとかさ
俺のせいじゃない何かが
俺を俺からはがさないか
 
急に伸びた背はみ出た手首
その手を突っ込むポケット
からっ風が耳元で泣くと
ああううと女の声がするよ
 
また今朝も生きてやがらあ
誰も求めちゃいねえのにさ
塩っ気のきつそうな塩鮭が
焼ける匂い 玉子のジャー
 
ハラが鳴って体を丸めて
布団に潜るとおふくろの声
さっきまで見ていた夢って
なんだっけ
 
ああもう死にてえなあ
考え飽きた言葉を飲んだ
なんにも知らないイヌが
リードに尻尾を振るから