Okay, bad joke.

詩のドラフト倉庫

ヘルツとコール

死んじゃいたいと言いながら
ラジオのスイッチを入れるんだ
そんなのおくびにも出さずにさ
変だけど割とよくある話なんだ
 
俺が冷たくあしらったら
糸が切れるかも知れないのかな
そんなこといちいち気にしたら
黙るしかなくなるだけだからさ
 
急に元気になったり
急にしょんぼりしたり
それは君のせいかもしれないし
ただの自惚れかもしれない
 
そんなつもりじゃないことで
笑わせることがあって
泣かせることもあるなんて
そんなの誰だってそうだからね
 
顔を合わせてしゃべる分には
いつものいらいらの手癖だとか
すぐ返事をしなかったなとか
ハンドルを切る材料もあるんだ
 
でもそれぞれが箱の中にいると
真面目な話を笑われていても
からかう話で泣かれていても
わからないよ 誤魔化せるもの
 
廃れた話作り話といきのいい話
混ざるから気付くこともあり
お互い惰性の無神経知らないふり
あるいは何かの拍子にプツリ
 
言わなきゃよかったんじゃない?
いつでも最後なんだと思えばいい
汗ばむ十円玉 タバコ屋の軒先
赤電話の受話器 雨音とハンカチ