ヘリカルギヤ
さて、未来はどうなるのか
千年単位で遠く思い描きながら
財布を見て今日のお昼を考えた
たとえ身内が危篤であれ
御不浄に駆け込む時もあり
食べて生きるという理由だけで
無敵のヒーローとはほど遠い
眠いだけでも気が滅入る
酒が過ぎたら嘔吐に健忘
フラれりゃやけっぱちにもなるし
ムゲにされりゃ美人も面憎い
どこの誰よりアテにならない
自分にはまだ出会わない?
今わからないことだから
迷宮入りするとは限らない
今当たり前とみなすことが
三十世紀の常識かはわからない
昨日を踏んで今日がある
過去を集めて未来を組む
チンケなつまらない一日も
人生で三本の指に入る日も
うっすらと年輪や地層を残し
後に転がるビスやかすがい
ぼんやりするから不安になるが
未来にピントは合わないものだ
近付いた分だけ遠ざかる
わかった分だけわからなくなる
ずっと何かが足りないままで
足りない何かを知らないままで