Okay, bad joke.

詩のドラフト倉庫

グラウンド・ワーク

 

アスパラベーコンウィルキンソンドライ
呑めない二人でテレビの前に陣取り
 
女子サッカーの国際試合の中継
「ひと少ないな、客席の寄りが多い」
「ほんと、まばらね…あ、先に乾杯」
「乾杯」
 
笛の音と駆け寄る審判の影
「えっ、今の日本がファウルなの?」
「なんだよ、アウェーだなぁ。違うだろ」
抑制された表情が作る壁
 
好セーブから前線へのフィード
「芝ってあんなはがれるもんなの?」
「あー手入れが雑なんだろ」
「前観た時も、確かこんなだったけど…」
 
ちょちょちょ、と手で制されつつ
口をつぐんでセットプレーを見守る
わずかに右に外れて笛でハーフタイム
 
「ねえ思うんだけど、日本って、大体
どこでもピッチが綺麗じゃない?」
「まあな。天変地異の時は例外
「あ、うん。資材置場になったり…
でも、直後の復興親善試合の時より
元から荒れてるとこも多いみたい」
 
アスパラベーコンもぐもぐで頷いて
「優先事項じゃないってとこかね」
「むしろ…荒れ芝トレーニング?」
「他人事だな、怪我したらどうする」
 
肩に手を置いてよいしょと立ち上がって
「始まっつまう、用も足さねばなんね」
相手するのめんどくさいと訛るのよね
もっと何か考えつきそうなんだけどな
ついでに立ってガサガサ
梨ドライいちじくドクターペッパー