ふつつか夜話
ダメな子だった話を持ち寄り
焚き火のそばで順番に語り
いつもなら茶化す面々なのに
不思議としんみり優しい心地
あたし自分の名前が書けなくて
形が似てるから、ちとさって
いっつも反対に書いちゃうのね
そういや靴も逆に履いてたっけ
僕は好ききらいが多かったな
おふくろの飯がマズくってさ
箸でつついて崩して遊んでたら
泣きながらひっぱたかれたんだ
私は何かにつけ熱が出てたの
お泊まりに遠足運動会…全部よ
先生には仮病だって疑われるの
母はそのたび電話口でペコペコ
俺は結構な内弁慶だったから
イジメられてても言えなくてさ
また親も気付きゃしないんだ
生まなきゃよかった、だろうな
パチンと蚊を叩きそこねた音を
合図のようにめいめいボソボソ
先に間違えといた方がいいかも
手作りなだけマシじゃないの?
俺なんか全部の行事出たけど
うんこもらした記憶しかないぞ
気付いてたかはわかんないけど
心配させないためなんでしょ?
…かーわい、かーわいと♪
なんだよ、カラスじゃねえよ
いいの、全員いい子だったの
パチパチはぜて燃える目と頬