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Okay, bad joke.

詩のドラフト倉庫

福笑いと素顔

おめでとうと浮かれる気持ちには
なれない年もなかないんだそりゃ
さりとて欠礼には及ばないから
めかしてやがるなんて茶化すんだ
 
テーブルの上には空のどんぶり
つけっぱなしのテレビから出囃子
そこいらで寝て喉がいがらっぽい
飲み残しのぬるい水を流し込み
 
上着を引っ掛けてポストを探る
どっさりチラシの新聞と年賀状
彼女のチビの息子には面識もなく
一年越しのお元気ラリーに苦笑
 
周りが皆お気楽で自分は伏し目で
そういう方が恰好もつく気がして
こっちも素知らぬ顔のやせ我慢で
当たり障りないお口上を探して
 
で、ある日出し抜けに気付くんだ
我が子の写真を寄越した相手が
それを一番に伝えたいってことは
他にはつらいこともあるのかもな
 
言えばいろいろ悩みもあるんだけど
それでもあなたにはおめでとうを
あなたも私も昔は子どもだったのよ
よく大きくなったなあって思うの
 
うん、まあ、それだけじゃなくてさ
自慢もちょびっとはあるとしてもだ
勝手に補うならこっちのがいいかな
元気に育てくらいのことは思うから
 
おふくろとは喧嘩別れのままだけど
彼女のチビもそんな風になるのかも
なんつうか、それは止めたくなるよ
後ろ手に涙を、今日はおめでとうを