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Okay, bad joke.

詩のドラフト倉庫

down-to-earth

人間らしい恰好を練習して
目立たないジャケットを羽織って
地味なスーツケースを持って
うん、きっとおかしくないよね
 
つながれて笑う犬をなでて
地球ってごちゃごちゃしていて
心が乱れていて騒々しくて
ぼくのふるさととは全然違うね
 
通りすがりのひとびとの想いが
遠慮会釈なく流れ込んできた
ああ来週もまた鬼の得意先か
もうこの世にはうんざりだわ
 
ちぇっ、いちゃつきやがってさ
ハロウィンだかクリスマスだか
神も仏もあるものかってんだ
ぼくはこっそり顔をしかめた
 
かぼちゃのランタンを眺める
あの、ご試食いかがでしょう
エプロン姿とおもちゃのフォーク
パンプキンパイは甘くとろける
 
ぼくのふるさとに移り住むひとも
最初は落ち着かない目でおどおどと
そのうち穏やかに静かになるんだよ
そうなると見分けがつかなくなるもの
 
善きものだけで創られた美しいくにだ
ぼくはやっぱりふるさとが好きだ
それでも休みに時々降りてくるのは
愚かしい現実の手触りも悪くないから
 
あんまり似ていない悪魔の真似
子ども三人に取り囲まれ首を傾げ
パパパンと弾ける爆竹に驚き笑って
そろそろ時間だ 帰るよ またね