Okay, bad joke.

詩のドラフト倉庫

どうもありがとう

 

金魚の餌と酒を買ったら
そろそろうちへ帰ろうか
 
ちっぽけな公園の隅っこに
お稲荷さんの赤い幟と夕陽
 
下手なアコギがヨレている
もう既にすこうし酔っている
軽い気持ちで近寄って
半笑いの腕組みで眺めて
 
女も知らなさそうなそいつは
目をそらし不機嫌な顔をした
…なんすか?
いや、続けたら?
 
同じコードでもれなく詰まり
汗ばんでチッと舌打ち
もう、なんすか
あっち行ってくれませんか
 
君、ひとに聴かせたいから
練習してんじゃないのか
別に、今はまだそんなんじゃ
聴かせた方が音、鳴るんだ
 
おじさんも弾くの?
いやあ、その…
 
急にポツリ、たちどころにザア
わ、早くしまって、ほら
あっ、俺洗濯物干してんだ
この袋あげる、じゃあ
 
酒瓶を持たない方の手を振り
そいつは首を傾げ頭を掻き
口の中でもごもごお礼