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Okay, bad joke.

詩のドラフト倉庫

電器屋に寄り道

疲れたけれどすぐ帰りたくない夜は
電器屋に寄って眺めるトースター
今のところ買い換える予定はなくて
店員が気付く前にシェーバーの前へ
 
今日はもうひととは話したくない
思ってもいないことをたくさん話し
別段面白くもないことで愛想笑い
こういう時は決まって顎が痛い
 
店内の小さいハンバーガーショップ
男女が熱心に覗きこむカタログ
羨むほどには似合っていないけど
俺もどうでもいい話はしたいのかも
 
親切でよく気が付く店員の笑顔
俺は客だからな 結構和むけど
今日はそういうのも面倒くさい
マッサージチェアで恍惚のオヤジ
 
エスカレーターで運ばれる二階
ワゴンの中のタップも買わない
記録メディアもきりがないよな
インクはネットの方が安いよな
 
気のない気配を目一杯出して
パソコン売り場をさっと巡回して
最後の一列で帰ろうと決めたら
画面を流れるスクリーンセーバー
 
「ハラへった~」
…は?
黒無地にそっけない白フォント
同じ文字列が流れる数秒後
 
値下げ札が何度も貼られた
現品限りのノートパソコンが
隅っこで淡々と繰り返すぼやき
俺もハラが減ったわと苦笑い
 
客の仕業か店員の悪戯なのか
訊ねる元気はなかったのだが
別段急がない記録メディアを手に
いらっしゃいませを受け取るレジ