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Okay, bad joke.

詩のドラフト倉庫

沈黙トーキー

 

知ったようなことを言うな
小器用な言葉で憐れむくらいなら
気の利いたことひとつ言えないまま
うつむいている方がよほどましだ
 
吐き捨てて丸めた紙を投げつけられ
音立てて戸を閉めて出て行かれ
よかれと思ってこしらえた慰めなんて
なんの役にも立たないんだなって
その時はただもうどんよりして
ちょっとは腹も立てたりしてね
 
しばらく経って、別のひとに
彼と同じような不運があった時に
きっと何か言うはずだ
言ってしかるべきだと思えるひとが
なんにも言わずに黙っていた
随分淡白なんだなって思ったわ
 
でもだんまりのひとよりも
どう見ても関係なさそうなひとほど
大仰に息をついて慰めを振りまくの
なんてことだ、信じられない
やつれているようだが大丈夫かい
つらいだろうけど、気を確かに
 
どことなく学芸会みたいで
そのひとたちは生き生きしていて
不運なひとはぽつんと影になって
離れて見ると急に胸がひりついて
ああ私もあれと同じなのかって
自分が安心したくなっちゃうのね
 
どっちがありがたいかわからないけど
今度はなんだあいつって言われても
相手が話したくなるまで待とうって
あ、なんにもないのが一番だけどね
向かいの友達が黙ったまま微笑む
私はへどもどとおしゃべりをやめる