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Okay, bad joke.

詩のドラフト倉庫

ぶんぶく

 

振替休日の平日
人影のない公園をぶらつく
藤棚があってその下にベンチ
ぶんぶん元気なくまんばち
 
腰をかけようか迷う雨上がり
ベンチの端っこに白茶けた塊
丸い耳にふっさりしっぽ
手足の先は焦げ茶色
 
なんだか弱っているようで
とろんとした目をこちらに向け
あなただあれ?
 
わ、喋った
猫じゃないな、これタヌキかな
口に出さずに目を覗きこむと
それって、ぼくのこと?
 
今度は声に出してみる
具合でも悪いの?大丈夫?
うん、おなかがいたくって
僕の薬じゃきついだろうねえ
 
さっきカルディで買った
カミツレのお茶っ葉を開けた
ウサギが飲むって聞いたんだ
効かなかったらごめんな
 
いいにおいだね
手のひらから舐め取って
もぐもぐごくんで白黒の目
 
病院の方がよかったかな
おなかをさすってやっていると
ありがと、だいぶよくなった
きちんとお辞儀で姿を消した
 
しばらくして同じ公園で
道を教えたひとを妻と呼ぶ
僕は今も時々心配になって
尻尾がないかを確かめる