Okay, bad joke.

詩のドラフト倉庫

旭川さくらみち

雨予報が辛うじてそれて
背景は曇天、マスクの息切れ
平日にしては混む駐車場を抜け
桜吹雪を左右に割って歩く川辺
 
診察明けのモヤモヤした頭と
張られたロープ「芝生の保護」
世知辛いね しょうがないけど
たんぽぽも桜も何食わぬ顔
 
風の対岸で年配の女性軍団が
淡々と謎の踊りを見せる中
自撮り棒、犬の散歩、自転車
バーベキューの香りもうっすら
 
ロープの隙間のカップルをよけ
車道から河川敷に戻る階段で
サッカーのアンセムが聴こえて
ふと見るとシルクハットと杖
 
仮設トイレのど真ん前に人垣
拍手をお願いします、3・2・1
順番が逆だなと遠目の腕組み
きちんと拍手、素直な客たち
 
今度はおおーっの声も下さい
若いマジシャンは注文が多い
スカーフにおおーっパチパチ
ま、まだです ワハハと笑い
 
膨らませた風船は風にシュルル
犬はワワン おおーっ拍手
大きな縞々の旗になるスカーフ
これは本当におおーっ拍手
 
普段ひとが来ないことも多くて
今日は盛り上がって下さって
来た甲斐がありましたと一声
背後からどっと桜を吹き流す風