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Okay, bad joke.

詩のドラフト倉庫

50円の実在論

 

勤め先の近くのチェーン店で
朝定食の写真を撮って食べ始め
しばらくしてふと感じる視線

向かいのカウンターに女子高生
こんな時間にこんなとこでメシかよ
まあ食ってる俺が言うことでもない
ところでなんでこっち睨んでんの?

味のわからなくなってきた味噌汁
もしかしてさっきのシャッター音
彼女を撮ったと思われてる?

俺も若い女はそりゃきらいじゃない
でも俺のカメラロールには朝定食
直接何か言われれば弁解もできる
視線はお新香の小鉢より冷たい

そそくさと食べ終わっておあいそ
逃げるように自動ドアを抜けると
彼女も勘定を済ませ俺の背後
あろうことか生卵を投げつけ逃走

怒りのスイッチが入る前に呆然
アスファルトに白身が遅れてどろり

実は親の敵でここで会ったが百年目?
にわかに信じがたいぐるぐるの冷や汗

同僚にウケ狙いで話すのも忘れた
どうやって一日過ごしたかも忘れた
気付けば半額の弁当がカゴの中
もっとイカレたやつなら殺されてたよ
きっと何かのプレイだ流行ってんだろ

コロッケのソースの酸味で涙が出て
誰かに連絡しようと電話を手に取り
光るレンズにびくりと手を引っ込め
冷蔵庫が低くうなりだす冬の始まり