Okay, bad joke.

詩のドラフト倉庫

死ぬよりいやがること

本人の意思を尊重することと
客観的に適切であることと
自分がこうしたいと思うこと
なかなか一致しないもんだよ
 
例えばね、うちの母は
昔から病院が大嫌いなんだ
父は病院勤めをしたのにさ
そんなことはお構いなしだ
 
調子が悪いと本人も言うし
どうにかしなきゃいけない
何故か不機嫌に詰問する父
母は頑として何もさせない
 
ヨタヨタする曲がった背中
ただ見守るしか出来ないんだ
知らないひとは怒るだろうが
それは母と他人だからだ
 
最近サボってたマッサージ
自分を責めつつ念入りに肩腰
クマのぬいぐるみみたいに
足を投げ出す母にひと匙給仕
 
蒸しタオルを端切れで巻いて
脇の下をあっため話しかけ
ブランケットをはらいのけ
寝ている母をただ見ている目
 
何やってんだと思うだろ?
後悔しても知らねえぞ
言われなくてもわかってるよ
医療畑の人間も親だもの
 
昨日よりだいぶ楽になったわ
のらりくらりいつまで続くか
誰にだって手をこまぬく穴
不安をひとのせいにはするな