Okay, bad joke.

詩のドラフト倉庫

かぐやの解像度

一分一秒でも長く一緒にって
昔はいろいろ苦心したもので
集金ついでに出張を見送って
改札を背に俯く涙を抱いて
 
言われた門限は守ったけど
残業じゃない日もあったよ
ウソが上手になったいい子
親はそれでも時折イヤな顔
 
織姫と彦星は年に一度か
そんなの考えらんないよな
付き合ってるつもりなんだ
もう他を探せばいいのにな
 
永遠みたいに睦み合う二人も
今は逢うこともないけれど
別に変わったわけじゃないよ
言うなれば月の裏側のこと
 
見た目も好みだしここも合う
だから運命のひとだと思う
ご都合と妥協と欲望の盲目
星の瞳に引き込まれる唇
 
お互い裏は見せないものさ
見えないから信じられたのさ
見慣れた魅力がかすんだら
地軸が狂って向きも変わんだ
 
あれ、こんなひとだったっけ
え、そこでそっちを選ぶって
いけ好かねえ 愚痴が増え
変わっちまったと溜息ついて
 
変わったように見えるのは
変わらない裏側が見えたから
今度は惜しまず見せてやるさ
目をそらさずにいられるか?