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Okay, bad joke.

詩のドラフト倉庫

たけみつ

 

車庫入れを済ませたら
しゃくりあげる声がした
梅雨の中休み
平日の昼下がり
 
マンションのガラス扉の入口
男の子は泣き叫び地団駄踏み
呆れて振り返るお母さん
ひと回り大きなお兄ちゃん
 
静かにしてご迷惑でしょ
気遣わしげにこちらを見て
私は両手に買い物袋
慌てて目礼、首でイエイエ
 
出入りの時間は定まらないし
決まった相手とさほど会わない
ごてるひととも鉢合わせない
ここでは割と珍しい光景
 
お兄ちゃんは郵便受けの前
ほらあ、もうあがるよ、いい?
お母さんも同じ位置と角度で
もう、いい加減にしなさい
 
二人がかりで責められ
男の子はしゃがんでぐずって
置いてくわよ、そこにいるのね
私は郵便受けのダイヤルを間違え
 
エレベーターが来てしまった
先客に自分の階を伝えたら
男の子をだっこしたお母さんが
すみません五階と駆け込み
お兄ちゃんも続いてするり
 
肩越しの男の子は指をくわえて
きょとんと黙り不思議そうな目
うん?と首を傾げてみせたら
なんとなく得意そうな顔をした