Okay, bad joke.

詩のドラフト倉庫

緞帳の内外

今日は疲れてんだよなあ 他にすることだってあるさ 誰が待ってるっていうんだ? ああもう行くのやめよっかな そういうぐずつきが 来るまでに何度かあった やったら終わるから 終われば終わるから ひとりひとりそうだよね キューを振られて切り替えて 楽しい…

月締めの赤

ろくでもない目に遭って 折角の休みが不意になって 遅れかけて追い銭まで… 得したことあったっけ? それはわかんないですけど まだ終わってないですよ それだけ盛大に凹んでると 運は残るんじゃないかと 意外とお花畑なやつだな なんだ、損して得取れとか 人…

風邪キャッチャー

まあ遅うまですんじゃなあ 年末のはいっぺんに来るから …飯いいです、と横になった なんかは食べんとおえまあ お義母さんと妻の低い声 具合でも悪いんじゃねえ? うつったかなお父さんの風邪 あの男いっつももろうてきて あんたなんかしちゃんねえ 食べにゃ…

立冬から立春

暦では冬って言われたって そんな気がしないけどね 二週間ほど慌ただしくて どうやら追いついたようで ううう、さむさむ さすがにヒートテック? コンビニ寄って雑誌二冊 うっかり豚まんも買う ほぐほぐしながら白い息 ピロリロンで探る携帯 本日ポイント最…

迷い込む尻尾

ヘトヘトになって帰ったら 朝は部屋にいなかったやつが ちょこなんと座り込んでいた こいつ、どっから入った? 耳と目が黒くて丸くって 尻尾は白茶でふっさりして 顔をゴシゴシする小さい手 見たことあるな、なんだっけ 悪さもしないし逃げもしない まあいる…

ハッピーと少数派

おめでとうと笑ったひとは 帰ってカップ麺を食うんだ おめでとうと笑ったひとは 残業夜泣きで寝てないんだ お祝いを言われたひとも うれしい一色とは限らないよ 祝われたい気分じゃないの お礼するだけでもつらいの 誰もわかってくれないって お互いに心で舌…

生みつ生まれつ

おふくろが同じ誕生日で ちっちゃい頃はうれしくて 俺が何歳だから何歳だって あちこちで言いふらして 今考えたらおふくろも若い 十以上下だよ、今の俺より なんかいやだったらしい しないでくれる?歳の話 昔のやなことも思い出すし 派手に祝われてもアレだ…

エンタメと野暮天

それって矛盾してるよね そんなこと言ってたっけ? え、最終的に選ぶのそれ? 常識ならありえないって 証拠品を山積みにしてさ ドーダって睨みつけたんだ そしたらしょんぼりしてた 悪いことしちゃったかな 振り向く医者の深刻な表情 余命いくばくもない主人…

表情の裏地

仏頂面で写真に収まった 若い父を笑うと父は言った 男が歯を見せて笑うな 昔はそう言われたもんだ 喜怒哀楽 生きてりゃいろいろある 何かというと全米は泣く 涙が本気を担保する 嘘だとは言わないけど 多分それだけじゃないよ 誰にでも裸は見せないだろ 見せ…

スカーフとストール

全然違う作品で 同じようなことがあって ああ誰でもイヤなのねって 思ったことがあったのよね ふうん、どんなの? 愛人にあげて断られたものを 本妻や本命の恋人に渡す男 あー、それはサイアクでしょ やっぱりそう思う? 緑のスカーフと赤いストール 絵もは…

今のは誰の話

もう、しつっこいわね 何度もおんなじこと言って 言わせてんのはお前だよお前 頼むから事実だけ言ってくれ ひとつ隣のベンチでは 女の子が赤い靴をぶらぶら こら、お行儀よくしてな あのひとおこってんのかな? ひとを指さすもんじゃないよ おとなだって怒る…

死ぬよりいやがること

本人の意思を尊重することと 客観的に適切であることと 自分がこうしたいと思うこと なかなか一致しないもんだよ 例えばね、うちの母は 昔から病院が大嫌いなんだ 父は病院勤めをしたのにさ そんなことはお構いなしだ 調子が悪いと本人も言うし どうにかしな…

しろくろ境界線

子どもの頃には なかったGoogle Wikipedia テレビとラジオはあったな 出て来るひとは知っていた 知っているとは名ばかりで 出身校がどこで奥さんが誰で そんなことは何も知らなくて それで済んでいたんだよね そのことで物足りないだの わからなくてつまらな…

各々の不在達へ

何がそんなにかなしいのか わからない自分はつめたいな そう思って落ち込んでたんだ ちょうど十一年になるんだな 今より輪をかけて小生意気で ひとの心がわかると思い込んで だから余計劣等感があってね つらそうな文面にただ戸惑って "いなくなって気付けた…

リードと籐かご

こないだあぶなかったんだ それで土日ずっと落ち込んでさ ほんとうにいなくなったら 目も当てられないと思うんだ 三年前にはもうそんな話 直接何が出来るわけでもない 思いを巡らせる最悪の事態 滅茶苦茶になっても構わない どうしても無理なら休んでも 戻る…

未確認の希望

くたばり損ないが 戻ってきたらどうすんだ 口が悪いのには慣れっこさ またひでえこと言ってんな 洒落の通じないやつらも 多いし制御してそうだけど あんなに言い募るほど 怖いんだろうなとも思うよ 前の方がずっとよかったとか 今の方が断然いいんだとか ど…

手動で信じる

俺なんかほんとうは 偉くもなんともないんだ 全幅の信頼みたいな あんな目ェされたってさあ その偉くもないってひとを 選んだ私の身にもなってよ や、まあそりゃそうだけど 相手は小学生なんだよ 小学生なら罪悪感あるけど 妻なら別にいいってこと? んなこ…

喜怒哀楽一里塚

怒るたんびにいちいち 終わってちゃキリがない おためごかしはごめんだし 喧嘩だってたまにしたい いつ本気全開で怒っても 平気だよって言いたいけど なにその駄目かもって顔 なんでそっちがそうなるの 何も見なかったフリ 気付かなかったフリ 何も感じなか…

リモコンを持つ手

つまらないドラマを観たのよ そのあらすじを延々と話す妻と あくびを噛み殺す娘の横顔 確か僕が昨日聴かなかったもの 僕はニュースなんかは別として ドラマにはてんで興味がなくて チャンネル、回す機能あるよね そうじゃなかったっけ 最初は活発に質問をし…

騙す拡張子

そんなんじゃ騙されないわよ 腰に手を当ててむくれた顔 騙すんなら墓まで騙してよ 死んでも死にきれないでしょ そんな大げさな 杓子定規なこと言ってんなあ もし自分が騙す側になったら 自分に返ってくるんだからさ あたしはそんなことしない ひとを欺いてま…

菓子折りの沈黙

ありえない、絶対駄目ですよ 考えらんないですそんなこと 他のひとなら軽蔑出来るけど よりによって…僕困りますよ そう責めたいのだろうに 体を小さくして顔色が悪い つらかったろうね すまない 堅物だからな そこがいい 俺も昔は随分幻滅したもんだ 許せな…

教えてお兄ちゃん

あっ、あなた観たことある 握手してよ、サインくれる? 写メも、ねえいいでしょう? 箸を持つ愛想笑いが引きつる ありがたいことだぞ ひなびたところに来ても そっとしといてもらえないよ 売れてるってことなんだろ 今日も好奇の目とご対面か 半ば諦めつつ遠…

パンドラの卵

不特定多数のひとりなのか ちっとは特別なところもあるか よき理解者に見えてるといいな 欲を言えば…欲を言えば? 蜘蛛の巣の張った重い蓋を 一瞬開けて慌てて閉じると ああバカだったなあ俺も 若い時にウジウジしてんなよ その気になりさえすれば どうにか…

かぐやの解像度

一分一秒でも長く一緒にって 昔はいろいろ苦心したもので 集金ついでに出張を見送って 改札を背に俯く涙を抱いて 言われた門限は守ったけど 残業じゃない日もあったよ ウソが上手になったいい子 親はそれでも時折イヤな顔 織姫と彦星は年に一度か そんなの考…

遠雷とポスト

明け方 鳴り止まない雷と雨 また川が溢れるのかしらね 書く手を止め、耳をすまして うちのひとを起こすか迷って 最近目がよく見えなくて 読める字で書けてるかしらね 万年筆のインク切れてたりして いくらになったのかしら切手 うちのひとに見てもらえば い…

しろやぎのおてがみ

あれ、バグまだ来てないの? 急な用事が入ったんでしょ? さっき何も言ってなかったぞ 私には連絡ありましたけど… …あいつ、やりやがったな 顔をこしらえて席に着いた 日を改めた方がよかったかな いえ別に、どうしてですか? なんか、ほら、二人なんて 君も…

続・一生のお願い

死んでも食わねえ飯なんか 死んだら食べらんないわそりゃ それに食べなきゃ死ぬんだから いいよ いやなら食べなさんな ダンダンダンと踏み鳴らす階段 部屋のドア ンガチャ バーン あーあ 明日持久走あんじゃん 買い置きのフタを切ったみりん めんどくさい年…

投影物の指向性

感じたこともないような 感じたくもなかったような 不気味さや恐怖や不愉快や 不安や拒絶反応やうそ寒さ 人生の時間やなけなしのお金 勝手だよ でもよりによって 遊びとしても気がしれないね そういうのはもういいよ俺 歳食って守りに入っただの 昔はマッド…

しゃーねかろう

えろうぼっこうしゃーねかろう こうなるともはや呪文か念仏 電話の向こうに話しかける 彼女の声はいつもより弾む うん、うん、ほんならなー… …ごめんごめん、長かった? 同じひとじゃないみたいだ 悔しいからひとつ訊いてみた なんだっけ、あの、さっきのさ …

チヤホヤ頂戴

なんで立たないのよ そんなこと言われましても まばらに座って眺める背と 椅子のえんじ色のビロード 誘われて行ったライブで あんまりよくは知らなくて 周りに合わせるつもりで 周りもそんな感じらしくて 滅多にないことだが 終始あったまらない日だった 申…